【東芝問題解説】上場廃止基準って?

米原発事業で巨額損失を出した東芝が、
東京証券取引所への上場を維持できるかどうかの瀬戸際に立たされている。
企業はどんな場合に上場廃止となるのだろうか。


上場廃止基準って? 


 株式上場を廃止するかどうか判断するため、証券取引所が定めた基準だよ。


上場廃止になるとどうなるの。

 廃止決定から1カ月間は「整理ポスト」に入って株式の売買が続けられ、
その後は取引所での売買ができなくなる。
廃止企業は市場からの資金調達ができなくなり、
銀行などから融資を受けるための信用力も低下する。


―どんな場合に上場廃止になるの。


 決算期末に債務超過となり1年以内に解消されない場合や、
有価証券報告書(決算報告)の提出が遅れた上、
金融庁・財務局が期限延長を認めなかった場合などだ。
決算報告への虚偽記載や監査法人の決算に対する「意見不表明」などで、
市場の秩序を維持できないと証券取引所が判断した場合も上場廃止となる。


―市場の秩序に重大な影響を与えるかどうかは取引所が判断するんだね。


 そうだ。しかし、たいていはいきなり上場廃止とするのではなく、
内部管理体制に問題のある「特設注意市場銘柄」に指定され、
改善したか報告を求められる。
特注銘柄の指定後も改善が認められなければ、上場廃止となる。


東芝の現状は。

 (1)有価証券報告書の提出の遅れ
(2)不正会計による「特注銘柄」指定を解除する審査に合格できるかどうか
(3)17年3月期末の債務超過が確実な中、2年連続の債務超過を回避できるか


―という三つの関門に直面している。


 今回、監査法人の判断が「不表明」のまま決算報告書を提出したことで、
報告書の提出遅れはひとまず解消されたが、
こういうやり方は取引所による特注銘柄解除の審査にはマイナスに響く。
東芝はなお、上場を維持できるかどうか予断を許さない厳しい状況と言える。


Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170412-00000014-jij-bus_all </divhttp://tabwekia.xyz/