【アシアナ】機長ら再聴取へ 広島県警が立件視野[4/11]

広島空港での事故、業務上過失致傷容疑で

 広島空港で2015年4月、韓国・アシアナ航空機(エアバスA320型、乗客乗員81人)が着陸に失敗し、28人がけがをした事故で、広島県警が男性機長(49)と男性副操縦士(37)=いずれも韓国籍=を、業務上過失致傷容疑での立件を視野に再度、事情聴取する方針を固めたことが、捜査関係者への取材でわかった。国の運輸安全委員会は昨年11月の報告書で、機長が規則に反して視界不良のまま降下したのが原因と結論付けており、県警は機長に当時の認識などを問い、最終判断する。

 運輸安全委の報告書によると、機長は着陸をやり直すかを判断する「決心高度」(高度約130メートル)で「進入継続」を宣言。直後に副操縦士が「滑走路が見えない」と発言したのに降下を続けた。運輸安全委は、機長が航空法の施行規則を守らず、副操縦士も「着陸やり直しを呼びかけるべきだった」と指摘した。

 県警は事故直後に機長らを聴取したが、状況把握にとどまった。機長は運輸安全委に「滑走路は視認できていた」と答えており、進入継続の判断や副操縦士との連携について詳しく聴く考え。今後、警察庁を通じて韓国側と調整を進めるが、大統領の逮捕などで情勢が混乱しており、時間がかかる見通し。

 事故は15年4月14日、韓国・仁川発広島行きのエアバスが広島空港へ進入時、滑走路の325メートル手前の着陸誘導用の無線アンテナ(高さ約6.5メートル)に衝突し、滑走路から外れて停止した。【東久保逸夫】


毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170411/k00/00m/040/139000c http://tabwekia.xyz/